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教育長の部屋(2017年10月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年10月1日更新

「人工知能」の時代


 最近の情報量の多さにはうんざりする。特に「若者ことば」などでしゃべられると、異次元の世界を感じるほどである。その一方では、ボタンひとつでことばの意味であろうがほとんどのことを解決してくれるコンピューターの時代でもある。もはや囲碁の世界でも、人間は機械に勝てなくなっている。
 ある雑誌でこんな記事を読んだ。



■「この辺りでイタリアンのおいしい店を紹介してください。」とiPhone(アイフォン)のSiri(シリ・秘書機能アプリ)に尋ねた。アッという間に9件の答が返ってきた。現在地から店までの距離、地図、電話番号、住所、料理の写真、利用者の評判まで、至れり尽くせりの情報である。そこで、次のように問うた。「この辺りでイタリアン『以外』のおいしい店を紹介してください。」と。やはりあっという間に返信があったが、その答えは『以外』がない、前者の質問に対する答と全く同じだったという。どうしたSiri ?



 人口知能(AI)は検索には優れているが、まだ「意味」については理解できないという証拠らしい。少しホッとするところでもあるが、記事は続けてこう書いている。



■しかしSiriを心配している場合ではない。日本の子どもたちの読解力にも相当な問題がある。ある調査では、公立中学校の約5割の生徒が教科書の内容を読み取れておらず、約2割は基礎的・表層的な読解もできていなかったという。
 野村総合研究所の発表によれば、日本の労働力人口の約49%が就いている職業は、10~20年後にはAIやロボットで代替可能になると報道されたが、前述のSiriの読解力を考えると、もう少し時間がかかりそうでもある。だが安心はできない。読解力がAI並みに不完全な生徒たちは、今すぐにでもAIに取って代わられてしまうということである。
 彼らは、どんな仕事をしたらよいのか。・・・



 今後、AIがきちんと意味を理解するように研究が進むだろうから、残念ながら野村総研の予想が当たるのかもしれない。もちろん、そうはさせじと、教師が子どもたちに読解力を身につけさせればいいのだが・・・。
 ということは、読解力の向上以上に、AIには決してまねのできない「人間らしさ」、つまり子どもたちの「人間力」の向上に今以上の努力をする方が重要ということになる。それは人工知能等での代替は難しい傾向があるとされた「教員」、「医師」、「カウンセラー」、「映画監督」、「音楽家」などのように、芸術、歴史学・考古学、哲学・神学など抽象的な概念を整理・創出する職業、そして、他者との協調や、他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業と予想されていることからも明白である。いわゆる文科系と称される仕事である。AIを創り出した理科系出身者が、そのAIに仕事を奪われるというのも皮肉なことである。
 では、子どもたちにいかに「人間力」を身につけさせるのか。そのためには、まずは「人間力とは何か」ということから考える必要がある。これは決して簡単ではなく、哲学的抽象的思考を経なければならない。
 そうだ! まずは、コンピューターで「人間力とは?」を検索してみるか?

donnguri
 


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