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市長コラム 第3号「怖い本」

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年5月21日更新

 今、私は怖い本を読んでいます。身の毛もよだつ怖い本です。でも幽霊の本ではありません。本の名前は、「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること」。著者は、河合雅司。彼は、産経新聞社論説委員で大正大学客員教授です。著者は、社人研(国立社会保障・人口問題研究所)などの最新のデーターを駆使して、日本の未来図を描いているのです。その本の表紙カバーには、「2020年 女性の半数が50歳を超え」「2024年 全国民の3人に1人が65歳以上」「2040年 自治体の半数が消滅」などショッキングな「未来の年表」が書かれています。彼は言うのです、『日本が少子高齢化社会にあることは、誰もが知る「常識」である。だが、その実態を正確に分かっている日本人は、ほとんどいない。「少子化」は、止まりようがない。』

 「社人研の推計によると、2015年には1億2700万人であった日本の人口は、40年後には9000万人を下回り、100年経たないうちに5000万人ほどに減る。こんなに急激な人口減少は人類史上例のない極めて特異な時代に私達は、生きている。」この推計には続きがあり、一定の条件をおいた「机上の計算」では、日本の人口は、200年後には、1380万人、300年後には450万人まで減り、西暦2900年の日本列島には、6000人、西暦3000年には、2000人にまで減ると推計しているそうです。2000人ですよ。2000人。日本列島は、すかすか状態になり、これは、日本国の消滅を意味します。国東市でもこの5年間に平均1年に570人の人口減になっており、単純に現在の人口29000人を570で割ると51年で人口が0となるのです。

 少子化、人口の減少は、至る所で問題となります。「2025年問題」と言うものがあります。私達の年代である「団塊の世代」が、2025年に75歳に成り、医療費の膨張、医療機関や介護施設が足りなくなる、と指摘されている問題です。しかし、著者は、「団塊ジュニア」と言われる世代(私達の子供の世代)が75歳になる2042年頃の方が、無年金、低年金の貧しく身寄りのない高齢者が、街中にあふれかえり、生活保護受給者が激増して国家財政がパンクするのではと案じているようです。また、それだけではなく、少子化は、警察官や消防士、自衛官など「若い力」を必要とする仕事の人員確保が困難になり、国防機能などが崩壊しかねないのです。著者は、この事態を「静かなる有事」と呼んでいます。みんな気がつかないうちに致命的な状態になりかねないのです。「ゆでカエル」状態と言うべきか「糖尿病」状態と言うべきか。某国のミサイルなんかよりもこっちの方が怖いと思うのです。

 しかし、絶望なんかしておれません。著者も、私どもが目指すべきは、人口激減を前提に、コンパクトで、効率的な国に作り替えることである、といっています。フィンランドやデンマークなど日本よりも遙かに人口が少なくても、豊かな国は沢山あります。自ら「大国」などと言っている国にろくな国はありません。政府も早くその方向に舵を切ってもらいたいものです。

国東市長 三河 明史

 

【引用文献】 河合 雅司 (2017) 「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること」 講談社現代新書

 


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