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ノロウイルスによる感染性胃腸炎に注意しましょう

ページID:0043777 印刷ページ表示 更新日:2023年12月4日更新

感染性胃腸炎の患者発生は、例年、12 月の中旬頃にピークとなる傾向があります。
この時期に発生する感染性胃腸炎のうち、特に集団発生例の多くは、ノロウイルスによるものと推測されています。
このページではノロウイルスについての正しい知識と予防対策についてご紹介します。

ノロウイルスとは

ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は、一年を通して発生していますが、特に冬季に流行します。​ノロウイルスは手指や食品などを介して、経口で感染し、ヒトの腸管で増殖し、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。健康な方は軽症で回復しますが、子どもやお年寄りなどでは重症化したり、吐ぶつを誤って気道に詰まらせて死亡することがあります。

ノロウイルスについてはワクチンがなく、また、治療は輸液などの対症療法に限られます。
感染力が強く少量のウイルスでも感染が拡大しますので、普段からの予防に努めましょう。

ノロウイルスはどうやって感染するのですか?

このウイルスの感染経路はほとんどが経口感染で、次のような感染様式があると考えられています。

  1. 患者のノロウイルスが大量に含まれるふん便や吐ぶつから人の手などを介して二次感染した場合
  2. 家庭や共同生活施設などヒト同士の接触する機会が多いところでヒトからヒトへ飛沫感染等直接感染する場合
  3. 食品取扱者(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を行う者などが含まれます。)が感染しており、その者を介して汚染した食品を食べた場合
  4. 汚染されていた二枚貝を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合
  5. ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合

特に、食中毒では 3 のように食品取扱者を介してウイルスに汚染された食品を原因とする事例が、近年増加傾向にあります。

また、ノロウイルスは 3 、4 、5 のように食品や水を介したウイルス性食中毒の原因になるばかりでなく、1 、2 のようにウイルス性急性胃腸炎(感染症)の原因にもなります。この多彩な感染経路がノロウイルスの制御を困難なものにしています。

発症した場合の治療法はありますか?

現在、このウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。このため、通常、対症療法が行われます。特に、体力の弱い乳幼児、高齢者は、脱水症状を起こしたり、体力を消耗したりしないように、水分と栄養の補給を充分に行いましょう。脱水症状がひどい場合には病院で輸液を行うなどの治療が必要になります。

止しゃ薬(いわゆる下痢止め薬)は、病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいでしょう。

予防するための3つのポイント

1.手洗いをしっかりと

手洗いは、 手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。
患者の飛沫および、便やおう吐物に触れることで手にウイルスが付着し、その手を介して口や鼻の粘膜から感染します。
帰宅時、調理の前後、食事前、トイレの後などは、手を石けんでよく洗い、流水でしっかり流しましょう。

2.二次感染を防ぎましょう

感染者のおう吐物や便にはウイルスが大量に含まれており、乾燥するとウイルスが空気中に漂いますので、適切に処理しましょう。

おう吐物や便などの処理方法

  • マスク、ビニール手袋、エプロンなどを着用する。
  • 0.1パーセント消毒液を浸したペーパータオル等で周囲から包み込むように拭い取る。その際、おう吐物は半径2メートル程度に飛散していますので広範囲を拭い消毒しましょう。
  • 消毒後水拭きし、使用したペーパータオルなどはビニール袋に密閉して廃棄します。
  • カーペット等色落ちが心配される場所には、吐物等を取り除いた後、85度以上で1分間以上の加熱消毒が有効です。(煮沸やスチームアイロン等)

汚れた衣類、食器、便座、ドアノブ等の消毒

  • 衣類等は洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いした後、85℃以上で1分間以上熱水洗濯するか、0.02パーセント消毒液に10分間以上浸した後、他のものと分けて洗いましょう。
  • 食器等は0.02パーセント消毒液に10分間以上浸してから洗いましょう。
  • トイレの便座や、ドアノブ、日用品等は0.02パーセント消毒液に浸した布で拭き、その後水拭きします。

3.食品はしっかり加熱しましょう

一般にウイルスは熱に弱く、加熱処理はウイルスの活性を失わせる有効な手段です。ノロウイルスの汚染のおそれのある二枚貝などの食品の場合は、中心部が85℃~90℃で90秒以上の加熱が望まれます。

消毒方法

ノロウイルスに有効な消毒方法は、加熱消毒と次亜塩素酸ナトリウムを希釈した塩素消毒液による消毒のみです。

加熱消毒の方法

加熱できるものについては煮沸等熱湯による加熱、スチームアイロン等高温の蒸気による加熱、高温乾燥機による加熱が有効です。
いずれの場合も85度以上の高温が1分間以上保たれるよう加熱してください。

塩素消毒液(次亜塩素酸ナトリウム希釈液)の作り方

準備するもの

  • 市販の塩素系漂白剤(塩素濃度約5パーセント)
  • 500mlペットボトル
0.1パーセント消毒液の作り方
  • 用 途 おう吐物や便が直接付着したもの
  • 作り方 500mlペットボトルに、ペットボトルキャップ2杯分の塩素系漂白剤を入れ、水で満たす。
0.02パーセント消毒液の作り方
  • 用 途 食器、衣類等の付け置き、便座、ドアノブ等の拭き取り
  • 作り方 500mlペットボトルに、ペットボトルキャップ半分の塩素系漂白剤を入れ、水で満たす。

その他、ノロウイルスや食中毒に関する詳しいことは下記ページをご覧ください。