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受け継がれる神仏習合文化「六郷満山」寺院への御朱印めぐり

印刷ページ表示 更新日:2022年9月1日更新

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神と仏が複雑に融合した、国東半島独自の「六郷満山文化」。1300年以上の歴史を誇る仏教文化です。由緒ある寺院をめぐり、御朱印をいただくひとときを通して、悠久の歴史や文化により深くふれる時間を過ごしてみませんか。

「六郷満山(ろくごうまんざん)」とは

山

峯入り修正鬼会

写真1:国東半島のあちこちで見られる切り立った山の岩場はかつての修行の場。写真2:現在も10年に1度、荒行「峯入り」が行われている。写真3:六郷満山寺院で旧正月に行われる「修正鬼会(しゅじょうおにえ)」。写真は岩戸寺で行われたときのもの

 

六郷満山とは、国東半島にある寺院群の総称のこと。奈良時代、宇佐神宮の御祭神・八幡大神の生まれ変わりとされる仁聞(にんもん)菩薩が半島各地に28寺院を開基したことにより、古来からあった山岳信仰や天台系修験、浄土思想などと融合した神仏習合の六郷満山文化が開花。宇佐神宮の庇護と影響のもと仏の里として隆盛を極め、現在も独特な仏教文化が脈々と受け継がれています。この記事では、六郷満山霊場全31カ所のうち、国東市にある16寺院より厳選した5スポットをご案内します。

両子寺(ふたごじ)│六郷満山寺院を統括する総持院

両子寺仁王像

両子寺両子寺御朱印

​写真1:山門に立つ仁王像。写真2:寺田法嗣。時間が合えば御朱印を書いてくださる。不在時は書き置きを用意。写真3:見開きの限定御朱印、オリジナルの御朱印帳と巾着、子授け守

 

養老2年(718)、仁聞菩薩により開基。山岳修行の根本道場にあたり、江戸期以降は六郷満山の総持院として全山を統括してきました。十一面千手観音菩薩をはじめ、広い境内には多くの御仏を安置。不老長寿や子授けのご利益でも知られ、特に子授け祈願日である午の日には全国から祈願者が訪れます。御朱印は御本尊の千手観音や、九州三十六不動霊場第一番札所の不動明王御朱印のほか、写真のような見開きタイプも授与しています。文化11年(1814)に作られたとされる山門の仁王像が有名で、高さは約2.5m。山門に立つ石造仁王像としては国東半島最大級の大きさを誇ります。また境内の森は「森林浴の森日本100選」に選ばれており、新緑や紅葉の名所となっています。

 

スポット名 両子寺(ふたごじ)
電話 0978-65-0253
住所 国東市安岐町両子1548
交通 大分空港から車で約25分
拝観料 300円
時間 8時30分~16時30分、講堂、奥の院は16時まで
駐車場 60台
URL http://www.futagoji.jp/

文殊仙寺(もんじゅせんじ)│智恵の仏・文殊菩薩を祀る国東随一の古刹

文殊仙寺

護摩だき文殊仙寺御朱印

写真1:岩の窪みに立つ奥の院。写真2:秋吉住職。文殊菩薩の御縁日である毎月25日の11時からは祈願護摩木を奉納。写真3:御朱印と、文殊仙寺所蔵の鬼大師座像があしらわれたオリジナルの御朱印帳

 

国指定の名勝であり、日本三文殊のひとつともいわれる文殊仙寺。修験道の開祖・役小角(えんのおづの)により大化4年(648)に開かれたと伝わります。御本尊は智恵の仏・文殊菩薩。学業はもちろんのこと、人生を生き抜く智恵を授ける縁起のよい大吉祥菩薩として篤く信仰されています。また魔除け、厄除けで知られる鬼大師座像などの貴重な御仏も。御朱印は、六郷満山霊場第21番・特別札所の御朱印「文殊堂」や不動明王のほか、毎月3日のみに授与される限定の縁日限定朱印も用意しています。

 

スポット名 文殊仙寺(もんじゅせんじ)
電話 0978-74-0820
住所 国東市国東町大恩寺2432
交通 大分空港から車で約35分
拝観料 拝観無料
時間 9時〜16時30分
駐車場 50台
URL https://www.monjyusenji.com/

岩戸寺(いわとじ)│国東に春の訪れを告げる伝統行事「修正鬼会」の開催寺

岩戸寺

岩戸寺仁王像岩戸寺御朱印

​写真1:養老2年(718)、仁聞菩薩により開創。六郷満山寺院の特色である山寺形式を色濃く残している。写真2:寺の入口に立つ一対の仁王像。写真3:御朱印は御本尊の薬師如来。不在時は本堂内に書き置きを用意している

 

祖先が姿を変えたとされる『鬼』が松明を持って集落を回る「修正鬼会(しゅじょうおにえ)」(国指定重要無形民俗文化財)。現在、国東半島の3つの寺にのみ残る行事で、岩戸寺は成佛寺(じょうぶつじ)と隔年交代で旧暦1月7日に近い休日に開催され、無病息災や厄落としのご利益を求めて県内外から多くの参拝者が訪れます。岩戸寺の御本尊は、1本のカヤの木から彫り出したとされる平安後期作の薬師如来。境内には鬼会の会場となる講堂や、国東半島にある国東塔のなかで最古と伝わる大きな岩戸寺宝塔(国指定重要文化財)も。また入口の仁王像のうち、向かって右手の阿形像は日本で最も古い石造仁王像で、室町時代作との銘があります。

 

スポット名 岩戸寺(いわとじ)
電話 0978-77-0537
住所 国東市国東町岩戸寺1232
交通 大分空港から車で約35分
拝観料 拝観無料
時間 8〜17時
駐車場 22台

泉福寺(せんぷくじ)│住職指導のもと正式な坐禅堂で坐禅体験ができる

泉福寺と住職

泉福寺外観坐禅

写真1:最勝住職。写真2:大永4年(1524)建立の仏殿は、応永元年(1394)建立の開山堂とともに国の重要文化財に指定されている。写真3:肩を打つ警策(きょうさく)は励ましや眠気覚しのために行われる

 

天台宗寺院が多い国東半島では珍しい、曹洞宗の禅寺。永和元年(1375)に無著妙融(むじゃくみょうゆう)禅師により創立、曹洞宗の九州総本山として栄え、今日まで無著派の根本道場として継承されています。境内の建物は、東西南北十字形に交差した室町時代の禅宗様式の特徴ある配置。夏にマミズクラゲが出現すると話題の「放生池(ほうじょうち)」も見られます。御朱印には御本尊の釈迦牟尼(しゃかむに)如来の名が記され、深赤色の印を押してもらえることも。坐禅堂で行われる本格的な坐禅体験では、坐の組み方や姿勢、呼吸法に至るまで教えてもらえ、自分と向き合う静かなひとときが過ごせます。写経体験では、筆や用紙など必要な用具がすべて準備されており、気軽に体験できるようになっています。

 

スポット名 泉福寺(せんぷくじ)
電話 090-2514-6864(住職携帯)
住所 国東市国東町横手1913
交通 大分空港から車で約20分
拝観料 拝観無料。坐禅体験1000円、写経体験1000円
時間 9〜16時
駐車場 20台

興導寺(こうどうじ)│空也上人が開基した、町なかに位置する寺院

興導寺

興導寺と住職興導寺地蔵

​写真1:種類豊富な御朱印は、摩尼住職の手による。金色の表紙が神々しいオリジナルの御朱印帳を求める人も多い。写真2:気さくに接してくれる摩尼住職。写真3:『心の断捨離』を祈願できる水かけ地蔵尊

 

念仏をとなえて庶民救済に尽くした平安時代の僧侶・空也上人の開基とされる興導寺。市聖(いちのひじり/町の中に住んで人々と交わり、仏の道を説く僧の意味)の異名を持った空也上人同様、摩尼住職は、国東の魅力を伝える観光ボランティアガイドの代表や、国東の寺院めぐりツアーの先達を務めるなど国東の発展に献身しています。境内には御本尊の地蔵菩薩「火燃地蔵(ひともしじぞう)」を安置する地蔵堂のほか、想い人を心で描きながら撫でる「愛あい地蔵」、悩みを洗い流す「水かけ地蔵尊」など多くの祈願所があり、楽しみながら参拝することができます。御朱印もバラエティーに富んでおり、御本尊の火燃地蔵のほか、ピンク色で書かれる華やかな桜不動のものも。桜不動は当初限定御朱印でしたが、人気のため、現在は通年でいただくことができます。

 

スポット名 興導寺(こうどうじ)
電話 0978-72-0585
住所 国東市国東町鶴川1827
交通 大分空港から車で約15分
拝観料 拝観無料
時間 8~18時
駐車場 10台

 

凛とした雰囲気の寺院から、のどかな里山や町なかにある親しみやすいお寺まで、それぞれに違った魅力を持つ六郷満山寺院。鳥の声に耳を傾けながら緑豊かな境内を散策したり、住職と語らうなど、五感を研ぎ澄まして思い思いの時間を過ごしてみてくださいね。

 

※掲載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、おでかけの際は事前にご確認ください。

※料金はすべて取材時点の税込料金です。