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市長コラム第45号「ネコのチョビ」

印刷ページ表示 更新日:2021年2月26日更新

朝方、顔にかすかな息を感じ、驚いて目を覚ますと目の前に私の顔をのぞき込んでいる小さな顔があります。ぐるる、ぐるると喉を鳴らしながらじっと見ています。「おっ、チョビか」。
いつも隣の妻の布団の上に寝ているネコのチョビが、私の方にきて、「そろそろ起きてよ」とでも言うように私の所にきたのです。
いつも私の方が早く起きるので、十分寝足りたチョビが催促に来たのでしょうか。私がなでてやると、まだ起きないと思ったのか、ぐるる、ぐるると喉を鳴らしながら今度は私の腕のうえに腹ばいになりました。
ネコのチョビは、もう10年ほど前になりましょうか、やはり野良猫の「かあたん」が我が家につれてきた2匹の子猫のうちの一匹です。
その当時、「かあたん」が、うちの蔵に3匹の子猫を産んだので、妻が「かあたん」とチョビを避妊手術に連れて行きました。入院中、私が蔵の前で作業していたら、蔵から小さな鳴き声が聞こえます。「あれっ」と思い、中に入り、声の聞こえる方を探してみると、何と使用していない小さい味噌樽の中に、小さい子猫が3匹、ミィミィ鳴いているではありませんか。子猫だと思っていたチョビが産んでいたのです。私が気づかなかったら飢え死にしていたかもしれません。急いで牛乳を皿に入れて子猫に飲ませました。
「かあたん」と、チョビの産んだ合計6匹の子猫達は、暫くすると独り立ちしたり、他所にもらわれて行ったりして、「かあたん」は、少し離れた家で飼われ始め、チョビだけが我が家に残ったのです。
チョビは、ネズミ取りの名人でした。大小のネズミを捕まえては、良く見せに来ました。何時だったか、チョビとイタチが睨み合っているのが見えました。私が遠くからじっと見ていると、次の瞬間、チョビがイタチの首根っこをくわえて、あっという間に行ってしまいました。ネコの強さにびっくりしました。
そのチョビも10才くらい。人間でいうと還暦前らしく、年なのでしょう。最近は全くネズミを捕らなくなりました。天井裏で、ネズミがバタンバタンと騒いでも、知らん顔をして寝ているようになりました。
「さあ、チョビ、起きるよ。」

国東市長 三河 明史