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神社仏閣・文化財・伝統行事
受け継がれる伝統の祭り
六郷満山の伝統を体感できる祭りは、ほかにも数多くあります。脈々と受け継がれ、人々の暮らしに密着した祈りの行事が次世代へと伝えられています。
幸福を招く鬼の祭り(修正鬼会)
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修正鬼会 正月法要と鬼祭り、火祭りが習合したといわれる全国でも珍しいお祭りです。 |
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丸小野子供修正鬼会 子どもたちのかわいらしい舞いを見ることができます。 |
岩屋に鬼が住んでいたと言い伝えられる、国東の山々。国東の鬼は恐れられると同時に、幸福を招く鬼であり、伝統行事にも主役として登場します。
年の初めに、家内安全、五穀豊穣、無病息災を願って行われる「修正鬼会」は、国東の伝統行事の代表格で、国指定重要無形文化財です。
かつては六郷満山の65カ寺で鬼会が行われていましたが、現在、国東市では、岩戸寺と成仏寺が隔年で行っています。
「修正鬼会」は、夜の7時に始まり深夜まで続きます。さまざまな舞いや儀式を経て、クライマックスは夜10時以降に登場する荒鬼です。荒鬼は、松明を振り回しながら、堂内を走り回り、寺を飛び出して、村の家々を加持して回ります。参拝者は、荒鬼に肩や背中をたたいてもらい、その年の無病息災を祈ります。
※ 平成28年より成仏寺の鬼会は休止中です。
くしくしゃ
櫛来社秋の大祭(ケベス祭り)
目の前で今も息づく六郷満山文化を体感できます。
国指定無形民俗文化財であり、毎年10月14日に行われる櫛来社秋の大祭(ケベス祭り)は、起源や由来が一切不明の祭りです。
面をつけて命を吹き込まれたケベスは、火に入り、火のついたシダを持って境内を走り回ります。その火の粉を浴びると無病息災と言われ、ありがたいご利益を得ようと、たくさんの参詣者がやってきます。
吉弘楽
国指定重要無形民俗文化財であり、五穀豊穣と戦勝を祈願した吉弘楽。
胸に太鼓を抱き、背中に旗を差した戦国時代のいでたちで、時にゆっくり、時に軽快に勇壮な舞いを披露します。
諸田山神社 御田植祭
県指定無形民俗文化財。早乙女に扮した男児が田植えを、顔にペイントした男たちが畔塗りなどの農作業を鉦、太鼓、笛の囃子に合わせて滑稽に演じ、見る人々の笑いを誘います。
永遠を刻み込んだ石の芸術
平安時代末期から鎌倉時代にかけて、多くの国東塔や五輪塔が造られました。
法華経を書いた塔を未来永劫に残し、その功徳で救われることを目的に造られたものです。修行僧たちは、石や木に想いを刻み込むことをも修行としており、国東には全国一石仏群が多く存在しています。
国東塔は、弘安6年(1283)、最初に作られたという、岩戸寺国東塔のように長身で優美なものもあれば、長木家国東塔のように全体に重々しくがっちりした姿のものとに大きく分けられます。
これ以外にも、国東では、国の重要文化財に指定されている石塔を多数見ることができます。
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照恩寺国東塔 数ある国東塔の中でも姿形の美しさは随一といわれています。 |
長木家宝塔 長木家宝塔は、総高3.97メートルに及ぶ長大な国東塔。向かい合う板碑に刻まれた梵字は1mで、九州最大といわれています。 |
弁分釜ヶ迫国東塔 塔身に銘が在り、建武2年(1335)と刻まれた国指定重要文化財です。塔身には四方に繊細な梵字が掘り込まれています。 |
岩戸寺国東塔 すらりとした優美な国指定重要文化財。ここでは在銘石造仁王像としては県内最古(1478年作)とされる2体の仁王像が迎えてくれます。 |
六郷満山いにしえスポット
国東市には、ここではすべてを語りきれないほど、たくさんの神社仏閣、史跡が存在しています。ゆっくり、じっくりと、めぐってみませんか。
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伊美別宮社 正応3年(1290)の銘があり、2番目に古いといわれる国東塔があります。子授けの神としても有名です。 |
安国寺 応永元年(1394)に足利尊氏公を開基として創建されました。等身大足利尊氏公坐像(県指定文化財)などが安置されています。 |
泉福寺 九州では珍しい室町時代後期の本格的禅宗様仏殿。本格的で風格が感じられる国指定重要文化財です。 |
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文殊仙寺 「三人よれば文殊の知恵」の発祥地として知られ、秋には、文殊耶馬と呼ばれる周囲の自然林がみごとに紅葉します。 |
護聖寺板碑 |
瑠璃光寺 藤原末期の作といわれる阿弥陀如来立像や夏にみごとな花を咲かせる樹齢600年のサルスベリを見ることができます。 |