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オリーブの基礎知識 その3:形態と生理・生態

ページID:0038207 印刷ページ表示 更新日:2023年4月19日更新

オリーブの樹体

常緑の中高木で、品種により直立形、開張形、中間形があります。
樹齢は極めて長く、南欧においては樹齢が1,000年以上のオリーブ樹が見らます。
土壌条件のよい土地では、成木になると樹高が10m以上にもなります。
根の酸素欠乏には極めて敏感で、他の植物に比べ酸素要求度が強い性質を持っています。
新梢は、前年枝の頂芽及びえき芽から発生します。
葉は対生に着き、品種により大きさ、形態、葉色、毛じの多少等が異なります。

オリーブの葉
オリーブの葉

オリーブの花

花芽は前年の春から夏に伸長した枝の葉えきに、12月頃から生理的に分化を始め、形態的は翌年3月下旬頃に分化します。
4月上・中旬に萌芽後、5月下旬〜6月上旬に開花します。花は、白色の小花で4片のガクと1つのめしべ、2つのおしべを有しています。
めしべの発育が不完全あるいは退化した不完全花も多数発生します。
不完全花の発生は冬〜春にかけての土壌の乾燥、樹体の栄養不良で特に多くなり、完全花と不完全花の割合は品種や年によって著しい差が見られます。
またオリーブの不結実現象の原因の1つは自家不和合性にあり、異品種との交配の組み合わせが重要です。
めしべは、開花の2日前から受精力が備わり、開花後5〜6日間は高い受精率を示し、その長いものは開花後12日間ぐらい寿命をもっています(尾崎,1952)。(※受精率は1〜2%)

オリーブの蕾オリーブの花の構造
オリーブの蕾と花の構造


花芽と果実、枝葉の時期別生理

花芽と果実、枝葉の時期別生理 [PDFファイル/292KB]

 

品種和合性

オリーブ品種の交雑和合性(尾崎,1954年を改編) [PDFファイル/176KB]


オリーブ開花
オリーブ品種の開花期間と気象(2015年) [PDFファイル/297KB]

オリーブの果実

オリーブの果実は、受精後急速に肥大します。約40日間で果肉の細胞分裂は終了し、7月下旬から8月上旬には内果皮が硬化して核を形成します。この硬核期以後果肉の肥大が盛んに行われます。落果現象は、開花後から7月中下旬までに現れます。主として花房内の養分競合や結果枝先端の新梢伸長との養分競合による生理落果です。
7月〜8月の肥大期の乾燥期間に灌水することによって、果実の肥大ならびに増収効果を得られます。
外果皮は初め緑色をしていますが、成熟するとともに緑黄色から赤紫色に変わり、完熟すると黒紫色に着色します。
果肉と種子にはオレイン酸を主成分とするオリーブ油が含まれます。各品種とも果実の発育に伴って、果実内の含油量は10月上旬から急速に増加し、11月上中旬に最大になります。

果実の発育(品種「マンザニロ」)

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