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オリーブの基礎知識 その4:病害虫
害虫
主な病害虫は以下の6つです。
1. オリーブアナアキゾウムシ
最も重要な害虫…オリーブアナアキゾウムシです!
オリーブの植え付け後2年~で隣接する山野から渡来し猛威をふるいます。
- オリーブの主幹部の太さが500円玉を超える大きさになると被害を受けるようになります。
- 成虫は3月下旬に越冬から覚め、12月上旬まで絶え間なく活動を続けます。
- 成虫の寿命は3~4年、1~3日に1~2個産卵します。
- 樹皮に産卵され孵化し、樹皮から潜入し、約1~3ヶ月食害を受けます。
- 楕円形に食害、さなぎ室を作り蛹化(ようか)→羽化→成虫になり脱出口(オガクズが目印)から外に出ます。
- 新梢または若枝の皮などを捕食します。
オリーブアナアキゾウムシ防除必須です! [PDFファイル/1020KB]
2.カメムシ (チャバネアオカメムシ等)
オリーブの実がつくようになった園地に飛来します。
チャバネアオカメムシが最も多く発生しますが、4種のカメムシがオリーブに被害を与えます。
例年盆以降、吸害が激しくなります。被害は、塩水漬け用品種の収穫時期まで続きます。
3.ハマキムシ類
春と秋の2回(4月~11月)に発生して、幼虫が新芽などやわらかい葉を特に食害します。
主にマエアカスカシノメイガが被害を与えます。
植え付け3年程度までは被害が大きくなり生育に影響を与えるので注意が必要です。
国東では特に市の中央部から南の平坦地で8月下旬~9月上旬に被害が多発する傾向があります。
4. 炭疽病(たんそびょう)
幼果期から発生します。多くは成熟し始める頃に、果実に褐色の斑点を生じます。
品種によって抵抗性が異なり、特に「マンザニロ」などの大果種では本病に対して弱いものが多いです。
病原菌は枝、疾病果実で越冬し、気温が17~18°以上になると、胞子ができ雨で飛ばされ伝染します。
そのため長梅雨の年や秋雨や台風の豪雨時に炭疽病が多発生します。
炭疽病疾病の果実
5. 梢枯病(しょうこびょう)
主として梅雨期、次いで秋雨期に主に炭疽病菌により新梢および小枝の先端から葉が落葉し、
枯れ込みが進む症状が発生し、被害が著しい場合は樹全体が枯死します。
国東の主要な品種では発生しにくいですが、気象条件により多発することがあります。
国内の栽培品種では、「ミッション」が梢枯病に極めて弱いです。
6. 立枯病(たちがれびょう)
近年明らかになってきた病気で、夏季に樹が突然枯れ、葉が付いたまま褐色になります。
トマト等に発病する青枯れ病の菌がオリーブにも感染します。
菌自体はどの土壌にも生息していますが、菌が好む高温多湿下の環境で、
オリーブの根に傷があると、侵入し感染させます。
効く薬が無く、排水が悪い園地や、下層部に帯水層があると激発することがあります。
枯れた樹は枝の断面を切断すると、導管が変色してアルコール臭があり、水につけると汚泥を放出します。
剪定時に罹患した樹を切った鋸を消毒せずに別の木を切ると、感染源となります。