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多剤・重複服薬を見直しましょう
複数の病気にかかれば、受診する医療機関が複数になり、処方される薬も多くなるため、たくさんの薬を服用することになります。
また、一つの病気でも、複数の医療機関を受診すれば、それぞれで同じ効能の薬が処方され、重複することになります。
多剤・重複服薬すると
身体への負担が大きくなります
処方薬は効き目が強いため、薬の数が増えると、薬同士が相互に影響し合うこともあります。
そのため、薬が効きすぎてしまったり、効かなかったり、副作用が出やすくなったりすることがあります。
医療費の負担が大きくなります
複数の医療機関を受診し、同じ効能の薬を複数処方されれば、その分医療費がかかることになります。
医療費はみなさんの国民健康保険税などで支えているため、医療費が増えることで医療保険財政を圧迫してしまいます。財政が圧迫されれば、国民健康保険税率の引き上げにつながることになります。
ポリファーマシーにも気をつけましょう
ポリファーマシーとは、多くの薬を服用しているために、副作用や薬物有害事象※を起こしたり、きちんと薬が飲めなくなっている状態のことをいいます。(仮に多くの薬を服用していても、治療や健康管理のために必要で、適切及び安全に服用できている場合はポリファーマシーではありません。)
※薬物有害事象
薬との因果関係がはっきりしないものを含め、患者に生じる好ましくない、あるいは意図しない兆候、症状、または病気。
ポリファーマシーの問題点
○副作用や薬物有害事象
病気の状態や生活環境、服用の回数や量などで変化しますが、処方される薬が6種類以上になると副作用や薬物有害事象が起こるリスクが高くなるといわれています。また、異なる医療機関から同じ効能の薬が重複して処方されている場合は、重複服薬の問題もあるので注意が必要です。
同じ医療機関で処方されていれば薬の重複や飲み合わせなどもチェックできますが、そうでなければ薬が増えるだけ副作用や薬物有害事象のリスクも高まります。
【主な副作用の症状】ふらつき・めまい・物忘れ・気分が沈む・眠気・食欲低下・おしっこが出にくい・便秘
◯残薬
多くの薬が処方されると用量や用法が複雑になり、特に高齢者には「飲み忘れ」や「飲み残し」が起こりやすくなります。その結果「使わなかった薬(残薬)」がたまるだけでなく、正しく服用できなかったことで症状が悪化し、さらに薬が増えるといった悪循環に陥ってしまう場合があります。
ポリファーマシーの原因
- 複数の医療機関や診療科を受診することにより、処方される薬の種類が増えること。
- 副作用や薬物有害事象を別の薬で対処し続ける「処方カスケード」の状態になっていること。
- 特に高齢者は、肝臓や腎臓の機能が低下するため、薬の分解や体外への排出に時間がかかり、薬が効きすぎてしまったり予期せぬ副作用が生じることがあります。
ポリファーマシーを予防するためには、医師や薬剤師と積極的に情報を共有することが重要です。薬の種類が多い場合や、薬のことで気になることがあるときは、医師や薬剤師に相談しましょう。
お薬手帳を活用しましょう
- お薬手帳は1冊にまとめ、処方されている薬を把握できるようにしましょう。
- お薬手帳に、病歴・副作用歴・アレルギーの有無などの基本情報や、気になる症状をメモしておきましょう。Otc医薬品(いわゆる市販薬)を購入した際には、ご自身で記録しておくことをおすすめします。
- かかりつけ薬局(薬剤師)をもち、日頃から処方されている薬の情報を把握してもらいましょう。
- 自己判断で薬の服用をやめたり減らしたりせずに、医師や薬剤師に相談しましょう。
- 医療機関を受診する際には必ずお薬手帳を持って行きましょう。お薬手帳を医療機関に提出することで、併用薬の相互作用などのチェックが行われるので安心です。
- 処方されている薬剤情報等はマイナンバーカードを利用して、マイナポータルでも確認できます。詳しくは下記のリンクをご覧ください。
マイナポータル(外部サイト)