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本年6月市議会の「新型コロナ」に関する教育委員会へのご質問にお答えする中で、私は「国東市には共助の精神が生きていることによって、子どもたちに居場所が確保されていた」ということを話し、市民の皆様方にお礼を述べました。
随分前のことになりますが、ある新聞に表題の「日本は『子ども天国』だった」という題で論説が載ったことがあります。
では、「いつの時代に、何をもって『子ども天国』か?」ということについて、齋藤孝 (教育学者・現在明治大学教授)の本、「ハイライトで読む美しい日本人」に詳しく書かれているとありました。早速読んでみましたが、その本の中にはこんな事例が紹介されていました。
その他、何人かの文章を紹介しながら、齋藤氏は次のような文にまとめています。
「日本の子どもの天国ぶりは、ひと言で言えば、いつも誰かと一緒にいるということにつきる。」と書き、その象徴として「おんぶ」を挙げていました。そして、「身体をふれ合うことから生まれる安心感、自己肯定感を子どもたちに与えることから子育てを再建しよう!!」と説いています。
私がこの本を紹介したのは、「昔の方がよかった!」と昔を肯定するものでもありませんし、逆に「昔は昔!」と現代を肯定するものでもありません。少なくともそれぞれの時代において、親たちは子どものために尽くしてきましたし、尽くしています。どの親も子どもを宝と思っているはずです。
ただ、親としての”生き方の変化”によって、子どもが犠牲になっている事例が増えていることも確かです。子どもよりも自分を優先している親の言動も少なくありません。子どもたちに「自分は親から愛されている」と感じさせること、「自分も家族の一員として認められている」と感じさせることなどを、今一度、親として家族として振り返ってみることは大事だと思います。
「子ども天国」とは、少なくとも、「子どもたちが自分の思うようにできることやわがままが叶えられる世界」を表現しているのではないということを肝に銘じたいと思います。