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教育長の部屋(2021年3月)

ページID:0029492 印刷ページ表示 更新日:2021年3月1日更新

「令和2年度を振り返る」

今思い返してみますと、昨年の今ごろは新型コロナ禍の序章で、学校は「一斉休校」を余儀なくされていました。全国的にみると3月のメイン行事である卒業式や修了式の中止、あるいは各種団体のイベントや「1年間の総括会議」等も吹き飛ばされました。得体のしれないウイルスに、私たち人間はなす術もありませんでした。
あれから1年が経ち、昨年末の「流行語大賞」は「3密」、さらに「今年の漢字一字」には「密」が選ばれるなど、国民すべてが新型コロナウイルスに振り回された1年間でした。そして今だに収束には至っていません。当初「1度感染したら免疫ができる」という論もありましたが、その後「ウイルスの変異」により「そうとは限らない」という論も出てきました。「Withコロナ」ということばも「期限がある」と思っていましたが、このままでは「限りなく続く」ということになります。そう考えると、ワクチン接種までは、多かれ少なかれ今年もコロナとつき合っていかなければならないと言えます。
コロナ禍の中で一番の困難点は、人と人とが交われないことです。登校ができない以上、これまで学校で「当たり前」にしていたことができなくなりました。当初はそれに代わる家庭学習や体力づくりをどう進めるかが問題でしたし、学校再開になると今度は「密」をどう防ぐか、消毒をどうするか、行事や会合はどこまで可能かなど、その時々の感染状況によって一つひとつを考えていくしかありませんでした。今となれば「当たり前とは何か」を考えるいい機会にはなったと思いますが、当時は゛いちいち゛が煩わしかったように思います。
そんな中で、国東市で県下2校目となる義務教育学校が創設されました。とりわけ武蔵東小、武蔵西小の2校には、閉校に向けた取組、新設校への準備もしなければならず、大変だったと思います。
そして武蔵地区の統合もさることながら、国見地区の統合も決して平たんな道ではありませんでした。地域から学校がなくなるということは、特に地域にとっては苦渋の選択です。しかしながら、子どもたちの現状や将来を考えた時、少子化による子どもたちへの影響をできるだけ少なくしたいという保護者等の願いによって、11月の保護者アンケートの結果、今後「統合」に向けて歩むことが決定されました。
私たち教育委員会としましては、統合した武蔵地区、国見地区も含めて、さらに子どもたちにとっていい教育環境整備に努力していく決意をした年でもありました。
こうして1年間を振り返ってみますと、困難だったこと、厳しかったことばかりになりますが、そんな中で、国東市の子どもたちがひとりとして命を失うという事件・事故がなかったことはありがたいことでした。というより、学校、保護者、地域の方々をはじめとする大人たちによって、事件・事故を未然にくい止めていただいたと言う方が当たっていると思います。1月の前代未聞の大雪の時も、安全な通学路確保のために多くの地域の方々のご協力をいただき通学路の除雪作業に汗を流した学校も多くあったことを知りました。チューリップ
国東市においても年々子どもたちを取り巻く社会環境・家庭環境、あるいは自然環境も厳しくなっていることから、気の抜けない状況にあるということも学んだ年でした。
この1年間のご支援・ご協力に感謝を申し上げますとともに、来たる令和3年度もよろしくお願いいたします。