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現在、三浦梅園資料館では、国の重要文化財に指定されている天球儀をゴールデンウィーク(5月10日)までの期間限定で展示しています。
この天球儀は延享3(1746)年、梅園が23歳の時に1度目の長崎旅行をしたのちに作ったものとされています。
地球が宇宙の中心で静止し、天体がその周りを回るというヨーロッパの天動説をもとにしており、地球を取り巻く天空を1つの球に見立て、その表面に多くの星を書き入れています。
梅園は天球儀の作成によって昼と夜、夏と冬など正反対のことも地球全体から見ると1つのことの両面であるということを発見したといわれています。
この発見はのちに条理学とよばれる梅園独自の学問への発展に大きく寄与します。
普段は当館収蔵庫にて厳重に保管されているため、めったに目にすることのできない貴重な資料です。ぜひこの機会にご覧ください。
そのほか現在展示されている重要文化財は『玄語』3冊(草稿本『玄語』、安永四年本『玄語』天冊活部、版下本『玄語』天冊活部)と『敢語』初稿本、『通語』、『西遊日記(帰山録草稿)』の計6冊です。
また三浦梅園が多方面から蒐集した手沢本類なども多数展示しています。
三浦梅園の代表的な著書である『玄語』は、条理学を体系的に記した書で、23回もの書き換えを行い、安永4(1775)年、53歳の時に完成させたのちも晩年まで改訂を重ねた労作です。
現在展示している3冊は、完成に至るまで書き換えを行った草稿本のうち1冊、完成した8冊のうちの1冊、梅園が死の前年に出版を計画し、その遺志を継いだ門人らによって作成された7冊のうちの1冊です。
『敢語』は条理学の立場から見て、政治や道徳をどう実行していくかを記した書で、4回の書き換えを経て、宝暦13(1763)年、41歳の時に完成しました。
現在展示中の初稿本はまさにこの完成時の原本にあたります。『敢語』も完成後、数回にわたって書き換えを行っています。
上記の『玄語』『敢語』に『贅語』を加えた3冊は「梅園三語」といわれています。
『通語』は、安永7(1778)年、梅園が56歳の時に記したもので、中国古典にあるような政治を理想とするのではなく、我が国の伝統的な風習を尊重した政治を理想とすべきだと説いたものです。
『西遊日記』は安永7(1778)年、梅園が56歳の時に2度目の長崎旅行をした際の旅行日記で、長崎通詞の吉雄耕牛らとの出会いやそこで得た西洋の文物について触れています。
このほかにも三浦梅園に関する貴重な資料を多数展示しています。ぜひお立ち寄りください。

上写真:国指定重要文化財「三浦梅園遺稿」附(3)天球儀

上写真:天球儀と『玄語』3点の展示の様子
三浦梅園資料館
電話番号:0978-64-6311
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