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現在、三浦梅園資料館では、国の重要文化財に指定されている石印を9月27日(日曜日)までの期間限定で展示しています。
当館に収蔵される石印は書道や絵画などが完成した際に作者によって押される落款(らっかん)と呼ばれる種類のもので、今でいう印鑑やはんこのようなものです。文字は白文のものと朱文のものとがあります。白文は文字を彫ったもので、陰影の文字が白くなるのが特徴です。朱文は文字の周りを彫ったもので、陰影の文字が朱になるのが特徴です。現在、当館にはつまみに獅子の装飾が施された印と両面に篆刻(てんこく)が施された印の2顆(つぶ)が収蔵されており、どちらも国の重要文化財に指定されています。
つまみに獅子の装飾が施された印は「水澤魚極楽」と彫られ、関防印(もしくは引首印)として使われました。関防印とは"はじまり"を示し、作品の右肩に押されるものです。白文または朱文で彫り、座右の銘や好きなことわざ、漢詩、和歌、名言、格言、禅語、熟語などを用いることが多いとされています。
両面に篆刻が施された印は、片面に本名の「三浦晋(すすむ)印」と彫られた白文の姓名印、もう一方の面に別名の「安鼎(あんてい)」と彫られた朱文の雅号印からなります。通常、作者の署名の下に姓名印、その下に雅号印が押されました。
この関防印・姓名印・雅号印の3つの印が三顆一組としてセットになるのが正式とされていますが、必ずしも三顆全てを押印するわけではなく、作品によって一顆や二顆で押印するなど自由に使い分けることもあります。
普段は当館収蔵庫にて厳重に保管されているため、めったに目にすることのできない貴重な資料です。ぜひこの機会にご覧ください。
そのほか現在展示されている重要文化財は『玄語』3冊(草稿本『垂綸子』七戌、安永四年本『玄語』小冊人部、版下本『玄語』小冊人部)と『敢語』終稿本、『名字私議』、『弧筇』の計6冊です。
また三浦梅園が多方面から蒐集した手沢本類なども多数展示しています。
三浦梅園の代表的な著書である『玄語』は、条理学を体系的に記した書で、23回もの書き換えを行い、安永4(1775)年、53歳の時に完成させたのちも晩年まで改訂を重ねた労作です。
現在展示している3冊は、完成に至るまで書き換えを行った草稿本のうち1冊、完成した8冊のうちの1冊、梅園が死の前年に出版を計画し、その遺志を継いだ門人らによって作成された7冊のうちの1冊です。
『敢語』は条理学の立場から見て、政治や道徳をどう実行していくかを記した書で、4回の書き換えを経て、宝暦13(1763)年、41歳の時に完成しました。
現在展示中の終稿本は明和4(1767)年に改訂したもので、前年の改訂本の加筆箇所を清書し、さらに訂正を加えていることから、定稿本に近いものとされています。
上記の『玄語』『敢語』に『贅語』を加えた3冊は「梅園三語」といわれています。
『名字私議』は、梅園の字(あざな)である安貞が10代将軍徳川家治の次男貞次郎の「貞」と重なるため、宝暦12(1762)年に使用を禁止されたことから、安鼎と改めたことをきっかけとして名字一般について論述したものです。
『弧筇』は梅園が寛保2(1742)年から安永2(1773)年までの間に作った詩を干支に注目して年月順にまとめたものです。梅園が友人綾部正庵(のちの麻田剛立)に贈ったとされる「与綾正庵書」などが収録されています。
このほかにも三浦梅園に関する貴重な資料を多数展示しています。ぜひお立ち寄りください。
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つまみに獅子の装飾が施された印 (「水澤魚極楽」) |
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両面に刻印が施された印 |
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両面に刻印が施された印 |
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つまみに獅子の装飾が施された印の陰影(左)および両面に篆刻が施された印の陰影(中央、右) |
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石印の展示風景 |
三浦梅園資料館
電話番号:0978-64-6311
〒873-0355
大分県国東市安岐町富清2507-1