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【No.11】人口減少時代の祭りの継承

ページID:0202403 印刷ページ表示 更新日:2024年3月6日更新

 伝統行事「成仏寺修正鬼会」(国指定重要無形民俗文化財)が2月11日、国東町の成佛寺で開催されました。午後4時頃からの読経(どきょう)に始まり、お斎(とき)(食事)、垢離(こうり)取り(清め)、鬼の介添え役のタイレシとの盃の儀(さかずきのぎ)、大松明(オオダイ)を山門に担ぎ上げるタイアゲ、読経、僧侶による立役(たちやく)の後、午後10時頃から鈴鬼(すずおに)が舞い、最後に荒鬼(荒鬼(あらおに)・災払鬼(さいばらいおに)・鎮鬼(しずめおに)が登場して、クライマックスを迎えます。鬼とタイレシたちは境内に詰めかけた参拝客を囲み「オーニハヨー、ライショハヨー」のかけ声とともに、たいまつで一人一人の肩などを叩きます。たいまつで叩かれると無病息災ということで、参拝者の顔は笑顔で溢れていました。

 これまでニュースで見たことはありましたが、実際に間近で拝見して、修正鬼会は多くの六郷満山の僧侶と保存会や区など、地域の皆さんがさまざまな役割を担っていることがわかりました。これは1300年の歴史がある六郷満山と地域の結びつきが、今の時代も続いていることを示しています。

 祭りは、地域の伝統文化として根付き、多世代に渡って継承されています。また、子どもから大人まで、世代を超えたつながりができることで、地域に愛着を持つきっかけとなり、地域アイデンティティを高める要素にもなります。また、祭りは移住してきた方に地縁的なつながりを育む効果もあると思われます。数多くのお寺や神社がある国東市は、各地に、今も多くの祭りが継承されており、地域コミュニティを維持していく大きな要素となっています。

 しかしながら、人口減少や高齢化による担い手不足や運営資金の不足などから、継承が難しくなっている祭りもあるのが現実です。このような課題に対して、これからは、祭りの観光化や国東のファンを増やし、外からも祭りに参加してもらうことも、人口減少時代の祭りを継承する方法の一つではないかと思います。そして、なによりも、祭りがにぎやかに行われることが、地域にとってうれしいことではないでしょうか。長時間の読経の間に僧侶が目覚ましとして食べる「こしょう餅」を食べながら、そんなことを考えた修正鬼会の夜でした。​


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