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【No.17】農林水産業の未来~国東の価値が向上する時代に備えて

ページID:0202409 印刷ページ表示 更新日:2024年9月9日更新

もうすぐ実りの秋。今年5月、農業政策の基本理念や方向性を示す法律である食料・農業・農村基本法が、25年ぶりに改正されました。その背景には、世界的な食料情勢の変化や地球温暖化、国内の人口減少など、当時では考えられなかった課題に対応しなければならなくなったことがあります。特に今回の改正では「食料安全保障」を基本理念の柱に位置付けて、食料が持続的に供給されるために、農産品の適正価格を形成していく必要性を強調しています。つまり、資材費が高騰する中で、農産品の生産コストを正しく価格に転嫁して、農家が農業を続けていけるような価格にするべきだということで、農林水産省は来年にも新しい法律を作る方針です。農業を取り巻く環境は、高齢化や担い手不足、資材の高騰が依然として続いているだけに、早急に実効性のある対応が求められます。

そんな中、8月8日に昨年度の食料自給率(カロリーペース)が発表され、3年連続で38パーセントでした。2030年度に45パーセントに引き上げるとする政府目標には遠く、多くの種や肥料を輸入に頼っていることを考えると、実際はもっと低いと考えるべきなのかもしれません。

今の日本は、一見、食べ物は豊富にあるように見えますが、その7割近くを輸入に頼っているのが現状です。今後、ウクライナや中東など世界情勢の不安定化により、海上輸送路が封鎖されたり、気候変動で、これまでできていた農作物の生産量が減ったり、地球全体の人口増(現在の80億人から100億人に増加)によって、輸入が滞った場合、国内での食料が足りなくなるかもしれません。

将来、このような食料危機が起きた時には、国内生産できる農業の価値が飛躍的に高まるわけですから、東京などの大都市圏より、国東のように田や畑、樹園地があり、農業生産が続いている地域の価値が向上する時代が訪れるのではないかと感じています。そして、不足している農産物を国東で作って地域外に売ることで、地域内にお金が入って来て、地域内経済循環が活発になり、国東市全体の経済も潤うことになるのです。

この他、農業には地域の景観や環境、文化を守るという大切な機能もありますから、国東市としても、国東の価値が向上する時代に備えて、農業の維持・発展に力を入れていきたいと考えています。