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「新しいツーリズムへの挑戦」をテーマに、大分、福岡、山口、広島、愛媛の西瀬戸経済同友会交流懇談会が別府市で開かれました。この催しには、自治体からは別府市の長野恭紘市長と私がスピーカーとして呼ばれ、長野市長は「持続可能な観光地を目指して~新湯治・ ウェルネス~」、私は「神仏の里、国東半島体験の高付加価値化」について発表しました。
これを受けて行われたトークセッション「新しいツーリズムへの挑戦」では、観光における別府との連携について質問がありました。別府とは、アートやウェルネス(身体的、精神的により良く生きようとする生活態度)、食といった共通項がありますが、その内容としては異なっているので、連携することで両市にない部分を補完し合えば、さらに高付加価値な観光を提供できるのではないかと思います。
例えば、アートでは、別府市は多様なアーティストが集まって、その都度生み出される、斬新な、そして熱気を帯びたアートが、芸術的なパフォーマンスを含めて魅力です。一方、国東半島のアートは、絶景の峯道に立つ「ゴームリー像」や縄文期の出土品が発掘された遺跡に面した岩壁に設置された「Hundred Life Houses」など、アーティストが国東の歴史や文化、自然と出会ったことで作られた、この場所でしか体験できない作品が魅力です。
また、ウェルネスについても、体に気持ち良い別府の「温泉」と「心・精神」が癒される国東のスピリチュアル体験も連携する価値が十分あると思います。実際に、峯道ロングトレイルを10キロ歩いた後の温泉は最高だと思います。
食の分野では、国東の世界農業遺産の食材である原木しいたけは、CO2をたくさん吸収したクヌギのホダギで作られますので、その椎茸を別府温泉の地獄蒸しで調理することは、カーボンネガティブにも通じるだけでなく、先人の知恵として続いてきた、サステナブルな料理として国内外にアピールできると思います。
このように、国東市と別府市の共通の魅力を深く掘り下げて、両方を体験できるツアーはきっと新しい価値を生み出せるので、今後、別府市との観光連携を進めていきたいと思っています。