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命の鼓動を刻む、現代の祈りの場
国東半島には火砕流の影響で多くの岩場が形成されています。ここに古くから人々はひとのみひとのみに祈りを込め、磨崖仏や石像を残してきました。
一説によると石仏磨崖仏は大分県に全国の7割が集中しており、なかでも国東半島には多くが現存しています。
今もなお、山深くの小さな磨崖仏でさえも生花が添えられているのは、生活の中に祈りが何百年も生き続けている表れなのでしょう。
宮島達男は、我々が生きてこの場で活動し命のバトンが渡されていく、その姿を彼なりに解釈し、地域の住民らと共に、ここに現代の磨崖仏を作りました。
縄文期の出土品が発掘された遺跡に面した岩場で、古代より脈々と生命や人々の営みが繰り返されてきたこの場所に設置された作品は、受け継がれてきた生命の輝きのようでもあります。
宮島達男
Tatsuo Miyajima
《 Hundred Life Houses 》